これまで我慢してきたもの

子供の頃は、小学校で授業中に誰よりも先に手を挙げて自分の意見を言っていた。しかも思いつくままに。合ってるとか間違っているとかそんな事はおかまいなしに、言いたいから言っていたのだ。あまりにも陽気な子供だったのだ。しかしだんだんと周囲の目や雰囲気を気にして黙るようになった。徐々に、授業中の空気や状況に気が付くようになったからだ。「あ、ここは意見を言ったり自由に主張したりする場ではないんだ。おれも周りをみて目立たないようにしなきゃ」という思いを漠然と持った。それ以降はもう、授業中に何かを言う事はすっかり無くなった。学校では大人しくして、空気を読み、自分の意見を言ってはいけない場である、と学んだのだ。今考えると、自分以外のクラスメイトは全員がこの事をあらかじめ理解して小学校に入学したのであろう。何も知らない自分も一緒に入学したが、一人で掟破りを繰り返していたのか。なんでみんなこんな事が分かってたの?言ってよ。俺にも言ってよ。いつの間にこれを学んだのよ?俺だけ知らなかったよ。小学校に入学する前から知ってたなんてどうなっているの。幼稚園で習うの?「みんな良いですか?小学校では自分の意見を言っては行けませんよ。周りの空気を読んで。無難に過ごしましょうね〜。」って言われた?俺聞いてないよ。そんなの。みんななんで同じように振る舞う事が出来たの。俺だけ何も知らなかったよ。みんなの一体感は何?どこから来ているの?打ち合わせとかした?