息をひそめて

何人もの人の中にいると、無意識に何も喋らず黙ってじっとしている事が多い。とにかく目立たず、周囲から浮かずいかにして存在を消せるか。と、そんな事ばかり考えて来た事に気が付く。目立たず浮かずと書いたが、はっきりと言葉に出来ていたわけではない。そんな思いが漠然と内心にあった。原因はただ一つ。子供の頃の学校教育にあると感じている。大勢の人間を一度に同じ方向を向かせる方法で押さえ込まれて来たため、心をやられているんだと思う。当時感じていた学校でのルールとしては、月並みではあるが、みんなと同じようにしなくてはいけない、周囲と違う意見を言ってはいけない、黙って先生の言う事を聞く、と言った感じ。他にも疑問があっても聞かずに我慢する、流す。おかしいと思っても逆らわないといった先生や周囲に睨まれないコツも身につけた。子供ながらに処世術を必死になって周りから体得し、学校で生き残ろうとがんばったのだ。それが全部今になって裏目に出ている。一度身につけた変な習慣は癖になっていてなかなか抜けないのだ。もはや洗脳に近いのではないか。自分で自分を洗脳できるのではないかとさえ思う。子供の頃に身につけた事が元々の自分の性格であるかのように体に染み付いているのだ。しかし、本来の自分の姿ではないので、息苦しさや何となく辛いといった症状になって現れてしまうのだ。

 

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